コアリソースパネル

コアリソースは、すべてのウィジェットの基礎を形成する一連のリソースです。Motif では、すべてのウィジェットは根本的にはコアと呼ばれるベースウィジェットクラスから派生しています。

コアリソースは、X-Designer 内の独立したリソースパネルに抽出されています。このようなコアリソースの数は大変多いため、X-Designer においては論理的にグループ化されて別々のページに収められています。

リソースパネル上の、生成された Java コードで有効なリソースの横には、コーヒーカップの絵が表示されます。「S」という文字の付いたコーヒーカップの絵は、そのリソースが Swing コードに関係していることを示します。 X-Designer がコーヒーカップのアイコン用に必要な色を割り当てられない場合は、Java で有効なリソースは「J」という文字で示されます。

「M2.1」が横に表示されているリソースは、Motif 2.1 固有です。 このバージョンのツールキットではガジェットの動作が変更されており、これらのコンポーネントのカラーリソースを、親とは関係なく指定できるようになっています。

コアリソースパネルは、X-Designer ディスプレイの上部にあるウィジェットメニュー内の「コアリソース」オプションを選択することにより呼び出すことができます。

コアリソースパネルの上部には、コアリソースのページを選択するためのタブボタンがあります。 ダイアログ上部に入りきらない数のタブボタン (ページ) がある場合、左上と右上に 2 つの矢印ボタンが表示されます。矢印を押すと、タブボタンが左 (右) にスクロールします。

表示ページには、関係しているウィジェットの実際の外観に関連するリソースが含まれています。これらのリソースは一般に色およびピックスマップリソースであり、各リソースの値は直接入力することができます。また、リソーステキスト入力フィールドの左にあるボタンをクリックすると、フォント、ピックスマップまたはカラー選択パネルを表示することができます。

寸法ページを使用すると、ウィジェットの幅、高さおよびウィジェットを囲んでいる境界枠の寸法に加え、ウィジェットの x,y 座標を明示的に設定することができます。

設定ページには、さまざまな Boolean およびスカラー評価のリソースが含まれています。たとえば、応答可能リソースでは、ユーザー入力に対してウィジェットを応答可能にするかどうかを指定することができます。ユーザーデータリソースフィールドを使用すると、ユーザーのデータとウィジェットを関連付けることができます。インスタンス毎のデータ構造体へのポインタなどのウィジェットインスタンスに固有のデータは、ここで宣言することができます。

コード生成ページを使用すると、ウィジェットに対して生成されるコードの形式を制御することができます。記憶クラスオプションは、生成されたコードにおけるウィジェットの記憶容量割り当ての修正に使用することができます。コード構造体は、ウィジェットおよびその子に対して生成されるコードの構成方法を決定するために使用します。C++ アクセスオプションを使用すると、生成されるクラスの要素に持たせるアプリケーションの他の部分からのアクセスを、公開、非公開または限定公開のどれかに指定することができます。

Microsoft Windows モードの場合、ウィジェットによっては Microsoft Windows 上のオブジェクトにマップできないものもあり、従ってそのようなウィジェットには C++ 構造を指定することができません。このような場合には、このオプションは選択することができません。

また、コード生成ページでは (C++コードの場合)、現在のウィジェットおよびその関連している要素に対して、基底 (継承される) およびインスタンスクラス名に加え、C++ クラス名を指定することができます。X-Designer には、C++ の場合の一連のクラスが組み込まれています。 しかし、これらは純粋に例として処理することができるため、ユーザーは状況に応じてウィジェットクラス階層およびインスタンスツリーを自由に書き換え、または再指定することができます。

デフォルトでは、X-Designer はデザイン内のウィジェットを管理するコードを生成します。あるウィジェットのインスタンスが作成される際に、特定のウィジェットを管理しないようにする場合には、コード生成ページにあるマネージトグルをクリックして指定を行います。

「リソースの結合にインクルード」トグルをオンにすると、選択したウィジェットの リソース結合が「密」に設定されます。

Microsoft Windows モードでは、X-Designer が OnSize メッセージハンドラを生成して、ユーザーがダイアログのサイズを変更した場合にもサイズ変更動作ができるようにします。

コード生成ページでは、ヘルプコールバックおよび活性化コールバックフィールドを使用して FrameMaker 文書およびマーカーを指定し、アプリケーションに対してのオンラインヘルプシステムを組み込むことができます。これらは直接入力することも可能ですが、ヘルプおよび活性化コールバックリソースボタンを押して 「ヘルプ用文書とマーカー」パネルをポップアップさせることもできます。活性化コールバックは、ボタンウィジェットにのみ関連しています。X-Designer は、FrameMaker により表示される関連文書およびマーカーを手配する、事前定義されているコールバックを生成します。

ドロップサイトページには、ウィジェットに対してのドラッグ & ドロップ操作を指定するための設定が含まれています。ドラッグ & ドロップはマウスを使用してオブジェクト間でデータ転送を行う手段です。 Motif では、どのようなウィジェットもドラッグまたはドロップ (あるいはその両方) として機能し、どのような種類のデータも転送することができます。しかし、転送されるデータにはターゲットの種類が指定されるため、ドロップ先が確実に転送データを正しく認識し、ドラッグ・ターゲットの種類を処理することができるようにプロトコルが必要です。

ドラッグ & ドロップ操作が行われている場合には、カーソルが変化します。ドラッグ元およびドロップ先は、アイコンが通過する際の視覚的効果を提供します。「アニメーション用マスク」、「アニメーション用ピックスマップ」、「ピックスマップの深さ」、「アニメーション用スタイル」リソースを使用して、視覚的効果を指定することができます。「アニメーション用ピックスマップ」リソースは、直接入力することができますし、リソースボタンをクリックしてピックスマップ選択パネルをポップアップすることもできます。

「インポートするターゲットの種類」は、ドロップ先が処理するデータのターゲットの種類を指定するために使用します。これは単純な項目として、あるいは文字列のリストとして入力することができます。Motif は広範囲の事前定義されたターゲットの種類をサポートしています。 詳しくは OSF/Motif プログラマーズ・ガイドを参照してください。

操作トグルは、データ転送の性質を指定するために使用します。適切なトグルを設定することによりデフォルトメカニズムを使用して、データをコピー、リンク、移動または転送するかどうかを指定することができます。

また、ドロップ先と、データ転送を行うユーザー独自のアプリケーション関数を関連付けることもできます。提供されているフィールドに、ドラッグまたはドロップ (あるいはその両方) 関数の名前を入力してください。

ドラッグ & ドロップに関しての詳細は、OSF/Motif プログラマーズガイドを参照してください。

注意

背景色などのプリミティブおよびマネージャリソースは、使いやすいようにコアリソースパネルに含まれています。

ドラッグ & ドロップは Motif1.2 で追加された機能です。各ドロップ先はドロップ関数を持っている必要があります。 ドラッグ関数はオプションです。 Motif 2.1 におけるドラッグ & ドロップメカニズム、クリップボード、X 選択転送はすべて Uniform Transfer Model に組み込まれています。Uniform Transfer Model は、転送のソースとシンクとの間で規定の形式でデータのエクスポートとインポートを行う XmNconvertCallback と XmNdestinationCallback によってプログラミングされます。 Motif 1.2 のドラッグ & ドロップコードは、今後も機能するはずです。

ヒント

寸法など、いくつかの特定のコアリソースは、インタフェース内の他のウィジェットにより設定されている制約のために無効に見えるものもあります。

  • カラー選択ダイアログ
  • フォント選択パネル
  • ピックスマップ選択ダイアログ
  • ヘルプ用文書とマーカー
  • メソッド
  • コールバックダイアログ
  • Windows モード
  • X-Designer について
  • Java コードの生成
  • Windows モード
  • X-Designer について