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9. 端末エミュレーション -- コンソール

9.1 イントロ

PC は (端末として使えるように) スクリーンやキーボードを備えていますが、 さらに大きな処理能力があるので、PC の処理能力の一部を割り振るだけで、テ キスト端末の処理は簡単にできます。これは ``端末エミュレーション'' と呼 ばれています。端末エミュレータの別なタイプには、他のブランド / モデル をエミュレートするように設定できるものもあります。こうするには、端末の セットアップメニューで希望のエミュレーションを選択します (Wyse jargon いわく ``パーソナリティ'')。本章ではエミュレーションの最初のタイプであ る PC で端末をエミュレーションすることについて述べます。

エミュレーションソフトウェアは MS Windows で利用可能で、最近の MS Windows には附属してきます。ほとんどの Linux のフリーソフトウェアでは VT100, VT102 または VT100/ANSI をエミュレートします。もし他の種類をご 存知なら私に知らせてください。ほとんどの PC はカラーモニタですが、 VT100 や VT102 はモノクロモニタとして設計されているので、普通はエミュ レーションには色を表現する能力 (および色の選択) が加えられています。時 にエミュレーションは 100% 完全ではないけども、普通はささいな問題しか引 き起こしません。Mac コンピュータを端末エミュレータとして使う場合は、ミ ニ Howto の ``Mac 端末'' をご覧ください。

9.2 エミュレーション用に TERM を使わないで

環境変数 TERM をエミュレートしたい端末のタイプに設定すれば、Linux コン ソール (モニタ) でエミュレートできると考えるのは間違いで、うまく動かな いでしょう。TERM の値はアプリケーションプログラムに使用する端末の種類 を示すだけですから。このやり方だとあなたに対話的に質問しなくてもいいの です。PC モニタの前にいるなら、端末タイプは ``Linux'' で、これを変更で きません。ですから TERM を ``Linux'' に設定しなければなりません。

もし他の何かに設定したならアプリケーションプログラムにうそをついたこと になります。結果的に、コンソールからのエスケープシーケンスを正しく解釈 できないので、インターフェイスをめちゃくちゃにしてしまうでしょう。Linu x コンソールのほとんどは VT100 端末として動作しますので、間違って VT10 0 (または VT100 に似た他の端末) に設定してもほぼ問題なく動作するでしょ う。だいたいはうまく動くと思いますが、編集やそれに似たことをしたときに ミスを犯すかもしれせん。

9.3 通信 (ダイアル) プログラム

PPP コネクションを使ってインターネットへダイアルアップ接続するプログラ ムには、端末エミュレーションは通常含まれていません。しかし幾つかのモデ ムダイアルアッププログラム (minicom や seyon) はそれができます。それを 使うことで、(例えば) 公立図書館のカタログやインデックスを利用するため に (もしくは、雑誌記事を読むのにさえ) そこへダイアルアップ接続します。 それらはモデムをテストするのにも役立ちます。seyon は X-Windows 上での み使用し、Tektronix 4014 端末をエミュレーションします。

通信プログラム kermit は端末エミュレーションにはならず、それは単に、あ なたの端末と接続したリモートサイト間の半透過的なパイプにすぎません。従 って、kermit を Linux PC 上で使うなら、端末タイプは ``Linux'' になるは ずです。あなたの PC に接続した Wyse60 があり、そこで kermit が走っている なら、リモートコンピュータが Wyse60 として見えるでしょう。Minicom は VT102 をエミュレートし、それを Wyse60 端末で使うなら、データがモデムに 送られる前に Wyse のエスケープシーケンスは VT102 エスケープシーケンス に変換されるでしょう。Kermit ではこれができないのです。

telix や procomm のように DOS で快適に動くエミュレータもあります。エミ ュレートするものには、古い VT100, VT102, または ANSI (VT100 のような) などの端末があります。

X-Windows でのエミュレーション

xterm (もう時代遅れ ??) は VT102, VT220, や Tektronix 4014 をエミュレ ートでき、X-Windows の下で走ります。それはまた xterm エミュレーショ ンでもあります (だけど ``xterm'' と呼ぶ物理的な端末ではありません)。 Tektronix 4014 エミュレーション (ベクターグラフィックス端末については グラフィックス端末をご覧ください) が 必要なければ eterm を使うとよいでしょう。eterm の以前には rxvtxvt がありました。eterm は画像データをサポートします。

非ラテン文字用としては、kterm が漢字端末エミュレーション (あるいは他の 非ラテン文字用) で、xcin は中国語用です。9term エミュレーションもその 一つです。これは組込みエディタやスクロールバーなどがあるので、ただの端 末エミュレーション以上だと思います。AT&T の Unix ライクなオペレーティ ングシステムである Plan 9 用に設計されたものです。

本当の端末のほうが良い

大きな画面で X-Windows を使っていなくても、本当の端末はエミュレーシ ョンより使いよいです。普通は費用がかからなくて、テキストに適した解像度 があり、ディスクドライブがないので騒音も出しません。

9.4 テスト端末エミュレーション

VT シリーズの端末用に、vt53, vt100,vt102, vt220, vt320, vt420 などの端 末がちゃんと動くかどうかの判定を手助けしてくれる vttest というテストプ ログラムがあります。ドキュメントこそありませんが、メニューがあるし、使 い方は簡単ですよ。コンパイルするには、設定スクリプトを実行して、 ``make'' とタイプします。 ftp://ftp.clark/net:/pub/dickey/vttest/ からダウンロードできる でしょう。あるいは http://sunsite.unc.edu/pub/Linux/utils/console/ からもダウンロー ド可能です。

9.5 Linux コンソール

PC Linux システムのコンソールは通常はモニタで、端末タイプ ``Linux'' を エミュレートします。他の端末タイプをエミュレートするようにする方法は (カーネルコードの書き直しに何週間も費したくないなら) ありません。環境 変数 TERM を ``Linux'' 以外の端末タイプに設定しても、他の端末のエミュ レートはしないでしょう。``端末'' が何か違ったタイプとして間違って (TERM 変数で) 宣言されたため 、誤ったインターフェースとなるだけです。 エミュレーション用に TERM を使 わないで をご覧ください。

``Linux'' エミュレーションは柔軟で、エミュレートするよう意図した vt102 端末を越える特徴があります。カスタムフォントの使用や、簡単にキーボー ドのキー配置変更 (本当の端末用に必要なカーネルソースコードのパッチや、 再コンパイルなしで) などが可能です。このようなおまけの特徴はコンソール ドライバに内蔵されたものであり、エミュレーションソフトウェアのものでは ありませんが、結果的にエミュレーションの一部のように動作します。

このような付加的な特徴を利用するするために多くのコマンドがあります (Keyboard-and-Console-HOWTO をご覧ください)。(キー)スキャンコードも VGA カードも使用しない本当の端末では、残念ながらこれらの特徴のほとんど を使えません。通常はコンソールへ送られるメッセージを端末が受信するよう Linux を再コンパイルすればできるでしょう。 端末 をコンソールとして作る をご覧ください。

9.6 エミュレーションソフトウェア

エミュレータはうまく動かないかもしれないので、ソフトウェアの購入前にや りたいことをチェックすべきです。

Linux PC を端末にする

標準的な vt100 (あるいはそれに近いもの) をエミュレートしたい場合を除い て、Linux で利用できるフリーエミュレーションソフトウェアはあまり多くあ りません。フリープログラムの minicom や seyon (X-windows 専用) は vt100 (あるいはそれに近いもの) をエミュレートできます。seyon はまた Tektronix4014 端末もエミュレートします。

TERM (Century Sofware の非フリーソフト) http://www.ecc400.com/censoft/termunix.htmlは Wyse60,50; VT 220, 102, 100, 52: TV950, 925, 912; PCT ERM; ANSI; IBM3101;ADM-1l; WANG 2110 をエミュレートできます。IBM と Wyse の場合はブロックモードが使えます。それは Linux PC で走ります。

非 Linux PC を端末にする

非 Linux-PC で動くエミュレータもあります。それは Linux-PC へ接続する端 末として非 Linux-PC を使うことを可能にします。DOS 用として telixprocomm があります。Windows には ``HyperTerminal''(以前は Windows 3.x や DOS で単に``Terminal'' と呼ばれていた) があります。これ に匹敵するものが ``HyperTerminal Private Edition" http://www/hilgraeve.com/htpe/index.htmlで、これは商用ソフトで す。vt-220 がエミュレートできます。Turbosoft(オーストラリア) の TTWin http://www.turbosoft.com.au/は Window s の下で 80 種類の端 末をエミュレートできます。

マッキントッシュの場合は、Carnation Software http://www.webcom.com/carn/carnation/panel-default.html があります。

端末エミュレーション製品をチェックできる場所の一つに Shuford のサイト がありますが、古い製品 (まだ動きますが) がリストアップされてるようです。 実際、情報は古いものです。 http://www.cs.utk.edu/~shuford/terminal/term_emulator_products.txt をご覧ください。


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