インターネットに接続する全てのデバイスは独自の IP 番号を持っていなけれ ばなりません。IP 番号を管理するための組織は各国ごとに設置されています。
LAN を経由してインターネットに接続する場合、あらかじめその LAN 用に割 り当てられた IP 番号の中から、LAN に接続している全てのコンピュータとデ バイスの IP アドレスを設定しなければいけません。勝手に捏造し た IP 番号を使って LAN (インターネットは言うまでもなく)に接続しては いけません。最悪の場合、単に動かないだけでなく、あなたの「盗 んだ」 IP 番号が、既にその番号を使っているコンピュータの通信と干渉して 大混乱をもたらす可能性すらあります。
この文書の中で使う IP 番号は(いくつかの例外を除いて)、インターネットに 接続しないネットワーク用にあらかじめ用意されている番号の中から選んでい ることに注意してください。
インターネットに接続していない LAN 用に用意された IP 番号は以下の通り です。
あなたの国の IP 番号の管理組織から IP 番号を割当ててもらっていない (閉じた)LAN には、上の IP 番号の中から一連の番号を割りあてて使っ てください。
これらの IP 番号はインターネットに接続しているデバイスには決して使ってはいけません。しかしながら、インターネットに接続しているマ シンのローカルなイーサネットインターフェイスに割当てることは可能です。 なぜなら、IP 番号というのは実際にはネットワークインターフェイスに付け るものであり、コンピュータに付けるものではないからです。ですから、イー サネットインターフェイスが (例えば)10.0.0.1 であっても、PPP を使ってイ ンターネットに接続する場合、PPP インターフェイスに別の(有効な) IP 番号 をサーバから割り当ててもらえば、PPP 経由でインターネットに接続すること は可能です。この場合、あなたのマシンからはインターネットに接続できます が、LAN に接続した他のコンピュータからは接続できません。
しかしながら、Linux と ipfwadm ソフトの IP masquerade 機能を使えば、 LAN に接続した他のマシンからもインターネットに接続することが可能になり ます(使えるサービスに多少の制限はありますが)。
masquerade 機能の詳細については IP Masquerade mini-HOWTO( Linux IP Masquerade mini HOWTO をご覧ください。
「一台のマシンを PPP を使ってプロバイダ経由でインターネットに接続した い」というほとんどの一般ユーザーにとっては、IP 番号(より正確にはネット ワーク番号)を公式に割りあててもらう必要はありません。
小規模の LAN をインターネットに接続したい場合、多くのインターネット接 続サービスプロバイダ(ISP)が、あらかじめ用意してある IP 番号の中から専 用のサブネット(IP 番号の特定の組)を割り当てるサービスを用意しています。
一台の PC を ISP 経由でインターネットに接続したいユーザに対して、ほと んどの ISP は動的な IP 番号の割り当てを行なっています。すなわ ち、接続した際に ISP から、その接続の際にのみ有効な IP 番号をあなたの PPP インターフェイスに割り当てる、という仕組みです。
動的な IP 番号の割り当て機能の場合、割り当てられる IP 番号は接続するた びに異なります。この場合、サーバタイプのアプリケーション、す なわち sendmail や ftpd、httpd などはうまく使えません。動的な IP 番号 の割り当てによる制限について(と可能な範囲でその制限をくぐりぬける方法 について)は後述します。