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7. ドメインネーム

コンピュータの名前を数字で呼ぶのは、大変苦痛です。どうせなら気の きいた名前にしたいでしょう。しかし、LAN で多くのコンピュータを接 続すると、他のコンピュータと名前がぶつかるかもしれません。世界中 のだれかが自分の好きな名前を既に使っているとも限りません。コンピュ ータに名前をつけるだけでなく、それを世界で一意にまとめるためのシス テムが考案されました。ドメインネームシステムです。

7.1 コンピュータの名前

Internet の普及ですっかりドメインネームもなじまれるようになりま した。ドメインネームは、アルファベットと数字からなる単語をピリオ ドで区切ったものです。たとえば、

などです。ドメインネームシステムでは、左側に行くほど、狭い範囲を あらわします(ドメインとは領域のこと)。重要な考え方として、最初 のピリオドの左側はコンピュータの名前で、ピリオドより右側は領域 の名前であるという見方があります。例えば garbo.uwasa.fi は、 uwasa.fi 領域の garbo という名前のコンピュータです。右側の方 が広い範囲というのは奇異に感じられますが、例えばアメリカでは住所 をこういう風に書きます。

外部と接続しないならばどんな名前をつけていもいいのですが、後でい ろいろなことがわかるようになったとき、自分が馬鹿みたいに感じるの はいやなものです。ですから、でたらめな名前だけど、規則には従って いるという命名を行いましょう。一番いいのは架空の会社のコンピュータと して名づけることです。その場合は、

コンピュータ名.会社名.co.jp

とします。co は、会社であることを示し、jp は日本にある事を示しま す。

など、好きにしてください。外部に接続しないなら官庁名だろうが外国 組織だろうが自由です。よその国の名前にするのはちょっと気持ち悪い ですが。

ドメインネームを使ってフルネームで、あるコンピュータを示す場合、そ のフルネームをFQDN (Fully Qualified Domain Name) と呼ぶことは覚 えておきましょう。下の例は架空のハイテク会社である 株式会社ディスカバリーにあるlinux機の名前です。

         +---- FQDN
         |
___________________
ann.discovery.co.jp
~~~ ^^^^^^^^^^^^^^^
  |         |
  |         +-- ドメイン名
  +------------ ドメインの中での名前

繰り返しますが勝手な名前が許されるのは、絶対に外部にネットワーク を接続しないときに限ります。接続するときには、公的機関にドメイ ンネームを登録する必要があります。

7.2 Linuxの/etc/hosts

さて、TCP/IP ではコンピュータを数字で指定しますが、人間はドメイン ネームシステムにしたがった名前で指定します。コンピュータはどちら で要求が来た場合でも対応できるようにしなければなりません。したが って、ドメインネームによる名前と、数字による名前を対応させる必要 があります。この対応を取るためのデータを持つのが、Linuxでは /etc/hosts というテキストファイルです。このファイルでは、IP アドレ スとコンピュータの名前をならべて対応を取ります。たとえば、次の ようなファイルになります。

# local host
127.0.0.1       localhost
# my computers
192.168.1.1     ann.discovery.co.jp    # Linux
192.168.1.2     betty.discovery.co.jp
192.168.1.3     clara.discovery.co.jp
# end of file

上の例で、#に続く文字はコメントとして無視されます。また、 127.0.0.1 の行はおまじないなので、必ず必要です。どんなシステム でも導入時にこの行は用意されますので消去しないでください。また 、自分自身のアドレスと名前も必ず記述します。

/etc/hosts を変更すると、システムは自動的にこれを認識します。 再立ち上げなどは不要です。

7.3 Windowsの\windows\hosts

Windows95 にも、hostsファイルが必要です。これは、 c:\windows\hosts という名前にします。Windows95 には c:\windows\hosts.sam という例題ファイルがあ りますが、これは無視して、Linux の /etc/hosts とそっくり同じ 物を作って hosts ファイルとしてください。

\windows\hosts を変更すると、システムは自動的 にこれを認識します。再立ち上げなどは不要です。

7.4 MacOSのhosts

こいつは難物という程でもないのですが、注意が必要です。 Mac の Hosts は Linux の /etc/hosts とは書式が違います。 書式を例で示しましょう

; local host
localhost.discovery.co.jp       A       127.0.0.1
localhost                       CNAME   localhost.discovery.co.jp
; my computers
ann.discovery.co.jp             A       192.168.1.1
betty.discovery.co.jp           A       192.168.1.2
clara.discovery.co.jp           A       192.168.1.3
; end of file

ドメイン名による名前と IP アドレスの順番が Linux の hosts と入れ替 わっています。また、名前と IP アドレスの間に A という記号があります。

加えて、localhost が Linux と違って FQDN で定義されています。 皆さんが localhost を定義するときには、localhost.dsicovery.co.jp の ドメイン名の部分を自分が使用する ものと取り替えます。これは、2 行どちらにもいえます。正直申し上 げて localhost の定義が必要かどうか私にはわかりません。ずいぶん Open Transport のサイトなども漁ったのですが、満足のいく説明は ありませんでした。私は安心のために入れています。

hosts を置く場所は決まっていないのですが、これについては あとで再度説明します。

7.5 DNS

/etc/hosts を手作業で組み込むのは、組織が大きくなると大変 です。そこで DNS ( Domain Name Server)というものが 開発されました。こ れは、ネットワーク上にある特定のコンピュータが他のコンピ ュータに名前と IP アドレスの組み合わせを教えてくれる仕組み です。この先勉強した後に挑戦するのも面白いと思いますが、 とりあえず今は使いません。

会社でネットワークにコンピュータを接続するときには、管理者 に DNS サーバーのアドレスを問い合わせてください。


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