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7. 残りの 1 %

7.1 仮想メモリの作り方

理論的には、Linux は 4M の RAM で動くはずですが、メモリが多ければ多い ほど、ずっといろいろなことができるようになります。X ウィンドウを動かす には最低でも 8M のメモリが必要です。X ウィンドウを快適に使うには 16M のメモリが必要でしょう。X ウィンドウ上で日本語を快適に使うには、32M の メモリが欲しくなります。もう 8M 分の仮想メモリ(スワップファイル)を作る には、ルートになって以下のようにしてください。

# dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=1024 count=8192
# mkswap /swapfile 8192
# sync
# swapon /swapfile

最後の行を /etc/rc.d/rc.local に加えて次からは起動時にスワッ プファイルを使うようにしましょう。あるいは、/etc/fstab に以下 のように加える方法もあります。

/swapfile   swap   swap   defaults

7.2 tar & と gzip の使い方

Unix の世界で広く使われているアーカイブと圧縮のためのプログラムは targzip です。tar はアーカイブを作るため に使われます。tarPKZIP に似ていますが、圧縮機能 は持たず、アーカイブファイルを作るだけです。新しいアーカイブファイルを 作るには、

$ tar -cvf <archive_name.tar> <file> [file...]

とします。アーカイブファイルからファイルを取り出すには

$ tar -xpvf <archive_name.tar> [file...]

とします。アーカイブファイルの中身を表示するには、

$ tar -tf <archive_name.tar> | less

とします。

ファイルを圧縮するには compressgzip を使います。 compress は時代遅れのプログラムでこれからはあまり使われなくな るでしょう。

ファイルを圧縮するには以下のようにします。

$ compress <file>
$ gzip <file>

これで拡張子が .Z(compressの場合) か、.gz(gzipの場合) の圧縮したファイルが作成されます。これらのプログラムは一度に一つのファ イルしか圧縮できません。圧縮したファイルを展開するには以下のようにしま す。

$ compress -d <file.Z>
$ gzip -d <file.gz>

詳細については RMP すること。

unarjzipunzip (PK??ZIP 互換)といった プログラムもあります。.tar.gz.tgz という拡張 子を持つファイル(tar でアーカイブしてから gzip で圧 縮したファイル)は DOS の .ZIP ファイルのように Unix の世界で使われて いるアーカイブファイルを圧縮した形式です。.tar.gz アーカイ ブの中身を表示する方法を示します。

$ gzip -dc <file.tar.gz> | tar tf - | less

最近のGNU tarでは tar にファイルの圧縮/展開機能が組みこまれており、 -z オプションを追加することで圧縮/展開処理が可能です。

$ tar -cvzf <archivename.tar.gz> file [file...]  (圧縮してアーカイブ)
$ tar -xvzf <archivename.tar.gz> file [file...]  (圧縮アーカイブの展開)
$ tar -tzvf <archivename.tar.gz> | less          (圧縮アーカイブのリスト)

7.3 アプリケーションのインストール

まず最初に: 各種ソフトウェアをインストールするのはルートの仕事です。 .tar.gz.tgz の形式で配布されているアプリケー ションは通常そのままインストールできるようになっているので、ルートになっ て / ディレクトリで以下のようにすればインストールできます。

# gzip -dc <file.tar.gz> | tar xvf -

展開されたファイルは正しいディレクトリにインストールされ、必要ならばディ レクトリが自動的に作成されます。Slackware を使っている場合、 pkgtool を使うことも可能です。もう一つ、Red Hat が配布してく れている rpm という形式もあります。

/ ディレクトリからはインストールすべきでないプログラムもあります。例え ば、アーカイブファイルに pkgname/ というディレクトリがあって、 多くのファイル、と/あるいは、サブディレクトリが pkgname/ 以下に あるような場合です。これらのプログラムは /usr/local 以下にイ ンストールするのがいいでしょう。加えて、C や C++ のソースファイルの形 式で流通しているソフトウェアもあります。これらはコンパイルして実行形式 を作る必要があります。コンパイルといっても、ほとんどの場合は make と入力するだけです。もちろん、これらのソフトウェアをイン ストールするには gcc コンパイラが必要です。

7.4 必須のテクニック

コマンドの補完: 途中まで入力したコマンドを完成するには <TAB> キーを押します。例えば、gcc this_is_a_long_name.c と入力すべき場合、gcc thi<TAB> とすれば、残りは自動的に 補完してくれる場合があります(同じ文字で始まるファイルが複数ある場合は、 一つに確定できるまでの部分を入力する必要があります)。

逆スクロール: SHIFT + PAGE UP(たいてい灰色のキー)を押せ ば、数ページ分画面が逆スクロールします。何ページ分戻れるかは使っている ビデオメモリに依存します。

画面のリセット: morecat でバイナリファ イルを表示してしまうと、画面がおかしくなるかも知れません。その場合、以 下のコマンドを(入力が表示されないかも知れませんが)入力して画面をリセッ トします。

echo CTRL-V ESC c RETURN

行の切り貼り: コンソールの場合は次を見てください。X の場合、 xterm の中で、必要な部分の先頭でマウスの左ボタンをクリックし て、そのまま必要な部分をマウスで選択します。必要な部分を選択すれば、ボ タンを離して、テキストを貼り付けたい部分にマウスを移動します。テキスト を貼り付けたい場所でマウスの真中のボタン(2 ボタン式のマウスならば二つ のボタンを同時に)押すと、その部分に選択したテキストが貼り付け(ペースト) られます。xclipboard というプログラムもあります(残念なことに テキストにしか対応していません)。xclipboard の反応はとても遅 いので、反応がなかなか返ってこなくても慌てないでください。

マウスの使い方: X を使わないコンソール画面でマウスを使いたい 場合、 gpm というマウスドライバをインストールします。必要なと ころの先頭でマウスの左ボタンをクリックしながら必要な範囲をマウスで選択 し、右ボタンをクリックすれば選んだ部分が貼りつけられます。これは異なる 仮想コンソール間でも使えます。

カーネルからのメッセージ : カーネルが出力しているメッセージを 見るには、ルートになって/var/adm/messages/var/log/messages を見てください。ここには起動時のメッセージ も保存されています。

7.5 役に立つプログラムとコマンド

以下に示すリストは私の個人的な好みと必要性に基づいたものです。みなさん は既にネットサーフの仕方や archieftp の使い方を 知っているでしょうから、これらのプログラムを入手する先として以下に Linux にとってもっとも重要な 3 つのアドレスを示します。それらは、 sunsite.unc.edu, tsx-11.mit.edu, nic.funet.fi です。

これらのサイトには多数のミラーサイトがあるのでお近くのミラーサイトをお 使いください。例えば、国内では KDD Labftp.hitachi.co.jp ftp.kuis.kyoto-u.ac.jpなど がミラーサイトになっています。

7.6 一般的な拡張子の付け方と関係するプログラム

以下にフォント類のような複雑なものを除いた拡張子の付け方の一般的なルー ルを示します。


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